百人一首とは
百人の歌人の中から、一首ずつ選んで、まとめた和歌集をいうのですが。。。
最近では百人一首といえば
藤原定家(ふじわらのさだいえ)が選んだとされる、
「小倉百人一首」を指すようになりました。
小倉百人一首(以下、百人一首)はかるたなどにもつかわれ、
アニメや漫画などの題材にもなって、
知名度が、どんどん上がってきています。
そんな百人一首の中には、素敵な恋愛の歌がたくさんあります。
以前、万葉集の恋の歌をご紹介したこがありました。
この記事では、万葉集に続いて、
百人一首の中から、恋愛の歌をご紹介したいと思います。
まずはこの歌から
忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人のとふまで
よみ:「しにぶれど いろにいでにけり わがこひは
ものやおもふと ひとのとふまで」
現代語訳:自分の恋心を、なんとか隠してきたけど、
とうとう顔や表情に出てしまったんだな。
「何か物思いでもしているの?」と人が尋ねほどに。
この歌を読んだのは、光孝天皇のひ孫とされる
平兼盛(たいらのかねもり)という人です。
現代でも、恋心というには、なかなか表に出せないことがありますが、
昔は身分の差などもあったでしょうから、なおさらですよね。
と、いうかそもそも
「好きだ」
という気持ちを相手に伝えるのは、とても勇気が必要ですよね。
しかも、伝えたとしても、良い返事がもらえる自信が
ないのであればなおさらです。。。
そうなると、もはや隠し通すしかありません(え?)
ま、伝えた方がスッキリするでしょうが。。。
と、ちょっと話がそれた気もしますが、
ようはこの平兼盛、
ずっと恋心を自分のなかで抑え込んできたわけです。
抑え込んでいたつもりだったのですが、人から
「おい、誰のことねらったんでよ~」
と、いう軽いのりかはわかりませんが、声をかけらてしまうわけです。
外から見てもわかるほどに、気持ちが積み重なっていたわけですね。
言い方を変えると、
抑え込めないほどに、気持ちが大きくなってしまっていたようです。
人から声をかけられて、自分の恋心の大きさを知った時に、
この歌をうたったのでしょう。
「四六時中、その人のことが頭から離れない。。。」
思春期であらば、誰もが経験しそうなことですが、
まさに平兼盛は、思春期の真っ只中だったのかもしれません。
この歌からは、そんな若々しさや、初々しさ
そして、大きく膨れ上がった恋心が伝わってきますね。
この歌はけっこう人気の歌なので、ご紹介させて頂きました。
ちにみに、この記事でご紹介させて頂く歌は、
「比較的人気があるであろう歌」を取り上げていきます。
あとは、筆者の独断と偏見です(笑)
意にそぐわないものがありしたら、
すみません。。。(涙)
では次の歌にいきたいと思います。
玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする
よみ: 「たまのおよ たえなばたえね ながらえば
しのぶることの よわりもぞする」
現代語訳:私の命よ、いっそ絶えるなら絶えてしまえ!
このまま生きていたら、この恋心を抑えておく力が弱まって、
隠し通すことが、できなくなりそうだから。。。
これも先ほどに続いて、恋心を忍ぶ歌ですね。
ただ。。。
めっちゃ力強いですね!
力強い歌ですが、この歌の作者は
式子内親王(しょくしないしんのう)という女性の方です。
式子内親王は後白河上皇の皇女になります。
つまり娘さんですね。
皇女は基本的に一生独身で過ごすことが決まっていたそうです。
と、いうことはですね。。。
自分の恋心なんて、口にできるわけがないんですよ。
とても切ないですよね。。。
この歌からは、そんな切なさ、
気持ちの大きさや強さが、しっかりと伝わってきます。
だって
「私の命よ、絶えるなら絶えてしまえ!」
ですよ。
そうとう、強烈な表現です。
気持ちの強さがにじみ出てますよね。
ちなみに、気になるお相手ですが
1番の有力説では、藤原定家とされているようです。
(法然という説もあります。)
最初に少し紹介しましたが、
藤原定家はこの百人一首を選んだ人です。
もし、本当に定家なのであれば、
どんな思いで、この歌を百人一首に選んだのでしょうか?
式子内親王の気持ちの強さをかみしめつつ、
嬉しくも、切ない気持ちになりながら、
作業をしていたのかもしれませんね。。。。
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さて、ここまでちょっと力強い内容の歌を紹介しましたが、
次は、綺麗な情景が想像できる歌を紹介したいと思います。
君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ
よみ:「きみがため はるののにいでて わかなつむ
わがころもでに ゆきはふりつつ」
現代語訳:あなたにさしあげるために、春の野原に出かけて若菜をつむ私の袖に
雪がしきりに降りかかってきます
この歌の作者は光孝天皇(こうこうてんのう)です。
最初に紹介した平兼盛の、ひいおじいちゃんですね。
光孝天皇は若い頃かから、優しい人格で、
人柄も良かったとされています。
しかも、イケメンだったとか。。。。
そのため、あの光源氏のモデルは
この光孝天皇だったのではないか、という説もあるそうです。
早春の野原で、若菜をつむイケメンのプリンスに
ちらほらと雪が降りかかる。。。
想像できる光景があまりに美しいですよね。。。
(く、くやしいが。。。)
さて、筆者の雑念は無視して頂いて、
そのためか、これもやはり人気にある歌となっています。
でも、実はこの歌、恋愛の歌とは確証がないようです(笑)
ただ、光孝天皇がある女性のために、
若菜をつんだのは事実のようです。
ちなみに若菜とは、いわゆる「七草」を指すようで、
大切に思う女性に、七草粥を食べてもらおうと
したのではないかとされいます。
たしかに、恋愛の歌である確証はないのですが、
「恋人のために淡雪の中、若菜をつむイケメン。。。」
という情景を想像した方が、美しいではありませんか!
ま、正直なところ大切に思う女性といえば、
「たいていの場合は恋人でしょ!」と、いうのが率直な意見なのですが。。。
あまりにそんなこと言ってると、怒られちゃうのなかな。。。(>_<)
あなたはどう思われますか?
さて、ここまで紹介した歌はいかがだったでしょうか?
昔の人の恋模様に、共感できた方も多いかもしれませんね。
この記事では、ここまでにしたいと思いますが、
まだまだ、紹介したい歌があります。
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