iPS細胞が世界で注目されていますね。

将来、医療の進展に大きな成果

もたらしてくれることでしょう。

もしかしたら、僕たちがおじいちゃん、おばあちゃんになった時に

このiPS細胞に救われることが、あるかもしれませんね。

この記事では、iPS細胞について、お話したいと思います。

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そもそもiPS細胞とは?

iPS細胞とは、人工多能性幹細胞(じんこう たのうせい かんさいぼう)

のことをいいます。

人工多能性幹細胞を英語に訳すと

induced pluripotent stem cellsとなります。

これの頭文字をとってiPS細胞と呼ばれるわけですね。

 

ちなみに、なぜ最初の「i」だけが小文字かというと、

「アップル社のiPodのように広く世間に広まってほしい」

という、山中教授の願いが、込められているからだそうです。

 

さて、この人工多能性幹細胞ですが、

注目してほしいのが「多能性」という部分です。

文字通り、

「多くの能力」

「多くの可能性」

を持っている細胞ということです。

 

少し難しい表現をすると、

「分化万能性」をもっている細胞ということになります。

分化万能性とは、

様々な細胞に変化することのできる能力のことです。

身近なところでは、受精卵が良い例ですね。

 

受精卵は、最初はただの丸い細胞でしかありませんが、

分化万能性があるため、そこから手や足、臓器、脳などが

つくられていくわけです。

 

つまり、iPS細胞は受精卵と同じ能力

持っていることになります。

 

これはですね。。。。

めちゃめちゃすごいことです!!!

下でさらに詳しく、お話したいと思います。

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iPS細胞に期待すること

 

1、 再生医療

 

例えば、肺が病気になってしまった人がいたとします。

そしてその病気が、移植しなれば治らない病気であったとします。

で、その場合、もちろん患者さんやその家族は

移植をしようと思いますよね?

 

でも、移植するには様々な問題があります。

まず、肺を提供してくれる人(ドナー)

見つからなければいけないし、

運よく、ドナーが見つかったとしても

その肺が患者さんの身体に、合うとはかぎりません。

 

もし合わなかった場合、拒否反応が出てしまって

最悪の場合、死亡してしまう可能性もあります。

 

しかし、iPS細胞を応用すれば

これらの問題を解決することができます。

 

まず、患者さんから細胞を採取して(皮膚や髪の毛でOK)

そこからiPS細胞をつくります。

iPS細胞は分化万能性があるので、

肺を作ることも可能です。

 

つまり、新品の肺が出来てしまわけです!

 

患者さん本人の細胞からできたものなので、

拒否反応もおこりにくいです。

もちろん、ドナーを探すなんていう

労力や不安からも解放されます。

ips2

 

 

2.創薬(そうやく)

 

iPS細胞は再生医療だけではなく、

創薬の部門でも注目されています。

むしろ再生医療より

創薬での実用化の方が、早いようです。

 

希少疾患(珍しい病気のこと)を例にあげてみましょう。

 

あたりまえですが、薬を創るのは製薬会社です。

しかし、希少疾患に対する創薬は

多くの製薬会社がやりたがりません。

なぜなら、相手が「希少疾患」のため

研究が進みにくく、さらに費用もかかってしまうからです。

 

でも、iPS細胞が実用化されたらどうでしょうか?

希少疾患である患者さんから、

細胞を採取して、そこから作った臓器に対して

いくらでも、実験をすることができますよね。

 

そうなれば、

研究がすすみます!

時間大幅に節約できます!

 

つまり、iPS細胞が実用化されれば

今まで手をつけることのできなかった、

希少疾患への研究、創薬が可能になってくるわけですね。

 

どうですか?

iPS細胞ってすごくないですか?

これほど、凄いものであれば、

「ノーベル賞の受賞も当然」

といえるかもしれませんねw

倫理的問題

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ここまで、iPS細胞の素晴らしいところを

ご紹介してきました。

しかし、実用化には様々な問題があります。

 

そのうちの一つが「倫理」の問題です。

実はiPS細胞は、ES細胞とは異なり

「倫理上の問題を克服した」

と、言われてきました。

 

ES細胞も再生医療の分野で

活躍を期待されていましたが

ES細胞を取り出すには

受精卵を殺さなければいけないため

「生命倫理上問題がある」とされていました。

 

しかし、iPS細胞はそんなことを

する必要はないわけです。

皮膚や髪の毛でいいわけですからね。

 

でも、よくよく考えてみると。。。

 

iPS細胞は「ヒトのどんな細胞」にもなれるわけです。

と、ゆうことは、精子卵子もつくれてしまうわけです。

 

映画などでも、度々題材になっていますが、

同じ遺伝子を持つ人間、

つまり、クローンが誕生してしまう危険性を秘めていることになります。

大きな問題ですよね。

 

実際にiPS細胞から、精子や卵子をつくる研究もされています。

ただ、この研究は不妊治療

大きく進展させてくれるものとして、期待されています。

良い側面があるからこそ、研究されているわけですからね。

 

しかし、大きな危険性を持っていることには、変わりありません。

自分の知らないうちに、髪の毛を採取されて、

自分と全く同じ人間が街を歩いていた。。。

なんてことも、絶対にないとは言い切れませんからね。

 

この話を聞いて、もしかしたら

「だったらiPS細胞の研究は、しない方が良いのでは?」

という方も中には、いらっしゃるかもしれません。

しかし、僕はそのリスクを背負ってでも

研究をすすめるべきだと思います。

 

前半でお話しましたが、

これが実用化された時の利益が、あまりに大きいからです。

「危険だから辞めよう」

ではなく、

「どうやったら危険ではなくなるのか?」

を考える必要が、あるのではないでしょか?

 

国民だけではなく、世界で倫理上の基準を話し合って

iPS細胞を人類の進展

活かしていくべきだと、僕は思います。

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