万葉集の恋の歌を現代語訳でご紹介!第2弾


万葉集の恋の歌シリーズ第2弾です。

先回の第1弾をまだ見ていない方はこちらからどうぞ。

それでは、早速本題に入りたいと思います。

今回、ご紹介する歌がこちら。


【百年に 老舌出でて よよむとも 我れはいとはじ 恋ひは増すとも】

よみ:「ももとせに おいしたいでて よよむとも

われはいとはじ こひはますとも」

 




・現代語訳

「あなたが百歳になり 歯が抜け口元がおぼつかなくなり 歩くのも困難になっても 

嫌になんてなりません いっそう愛しくなることはあっても」

 

この歌を詠んだのは、大伴家持(おおとものやかもち)という人です。

奈良時代のプレイボーイとして有名で、数々の女性と恋をしたとされています。

いわゆる超モテ男をというやつですね。

家持

「心の底よりうらやましい!!」

という筆者の叫びはおいといて…


この歌は10歳以上年上だったと思える、紀女郎(きのつらいめ)に、

20代前半の家持が贈った歌です。

しかも紀女郎は安貴王(あきのおおきみ)という人と一度結婚し、

後に離婚しています。

理由は元夫の安貴王が、高い地位の官人の妻と不倫をしたからとされていますが、

いずれにしてもバツイチです。

 

10歳以上年上でバツイチの女性を、真剣に愛せる器量

家持にはあったといえるでしょう。

これならモテるわけですよね。

 

「く、悔しいが男としての差を感じずにはいれない…」

と、ここでも筆者の嫉妬は、無視してもらって続きへ(笑)

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実はこの歌の前のも、家持と紀女郎は和歌のやりとりを何度もしていて、

紀女郎はやんわりと、お断りの内容を詠んでいます。

家持から先ほどの歌をもらう前に、紀女郎が詠んだ歌がこれです。

 




【神さぶと 不欲ぶにはあらね はたやはた かくして後に 不楽しけむかも】

よみ:「かむさぶと いなぶにはあらね はたやはた

     かくしてのちに さぶしけむかも

 




・現代語訳

「歳をとり過ぎているからと断るわけではありませんが、

         後で寂しく思うことでしょうね。」

 

つまり紀女郎はこう言いたかったわけです

「あなた(家持)との恋に溺れてしまいそうだけど、

私なんかじゃすぐに飽きられて、捨てられてしまうでしょう。

そうなると寂しいから、やっぱりやめておきましょう。」

これに対して、超モテ男の家持が応えたのが先ほどの歌なわけです。

 

さすがの紀女郎もデレデレ

「どうしましょ~(#^.^#)」って状態になったらしく、

気持ちを抑えることがで、きなくなったとのことです。

 

イケメンの上に女性の心理をまで理解できるとは

まさに「鬼に金棒」ですね。

 

こうゆうモテる奴がいるから僕みたいな

残りものが…

先ほどから、作者の妬みが聞こえてきそうな気がしますが、

お気になさりませんように(笑)


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今回の万葉集シリーズ、第1弾では

日本のクレオパトラといわれる額田王(ぬかたのおおきみ)について、

第2弾でもここまでは

奈良時代のモテ男、大伴家持という有名人の歌を紹介してきましたが

最後に万葉集の中でも「詠み人知らず」の歌、

つまり作者不明の作品をご紹介します。

 

これまた甘く切なく現代に通ずる歌です。




【紅の 薄染め衣 浅らかに 相見し人に 恋ふる頃かも】

よみ:「くれなゐの うすそめころも あさらかに

あひみしひとに こふるころかも」

 




・現代語訳

紅に染めた衣の色が薄いように、ほんの少しだけ会ったあの人が恋しいな

 

いわゆる一目ぼれというやつですかね。

経験がある方もいらっしゃるのでは、ないでしょうか?

 

布を赤に染める時に、紅花を使うのですが、

一度さっと染料に浸しただけでは、真っ赤にはなりません。

真っ赤にするためには、何度も染料に浸す作業を繰り返します。

一度浸したぐらいでは、淡いピンクのような色にしかなりません。

この歌はちょっとだけ」「一度だけ」染めた布を

「ほんの少しだけ会った人」と重ねているのです。

 

現代であればあの喫茶店で、交差点で、あの時間にあのバス停で、

「もしかしたらまた会えたりして…?」

と思ってしまう心情はすごく理解できますよね。

 

あたりまえですがネットも携帯もない時代です。

今よりももっと「偶然の出会い」を、大切に思っていたのかもしれません。

 

この歌はすごく素敵な内容で、布染めに例えることによって

キレイな表現にもなっているとは思うのですが

先ほどもお話しました通り、これは作者不明の歌です。

作者の性別すらもわかりません。

なので歌の解釈にも、いろいろなものがあったりします。

例えばこんな和訳をしている人もいます。。。

「紅に染めた衣の色が薄いように

ほんの行きずりに遊んだ女だが

なぜか恋しく思われる今日このごろであるよ」

 

なんだか急に生々しくなりましたよね(笑)

しかも内容から察するに、男性が作者ということになります。

もちろん、どちらも裏付けはありませんが、

この場合前者の方が、正解であってもらいたいですよね。

 

人間の恋や愛の心情、好きな人を想う気持ちは

1300年たってもかわりないようです。

 

万葉集と聞くと、難しいイメージを持つかもしれませんが、

こういった中にあるストーリーを理解できると

身近になりますよね。

興味を持たれた方は漫画から読んでみると

わかりやすいと思います。





万葉集4500以上首の歌があります。

恋愛に限らずとも、

調べれば、まだまだ良い歌が出てきますよw

 

またお伝えしたい和歌がありましたら

記事にしたいと思います。

PS:家持のような男に、いつかなりたいものです。

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こちらの記事もどうぞ

     

2 Responses to “万葉集の恋の歌を現代語訳でご紹介!第2弾”

  1. Yuzuri Ueda (上田ゆづり) より:

    ブラジル、サンパウロ大学の日本文学の論文で下記の句が芭蕉の句と発表されましたが、芭蕉全集には載っておりません。また、小泉八雲は同句を「日本の恋の歌」としてのみで俳人名を書いておりません。誰が詠んだ句なのか、もしご存知でしたらご教示ください。
    - 声にみな泣きしまふてや蝉の殻
    上田ゆづり

    • bonta より:

      私も詳しくはないのですが、こちらの芭蕉全集サイトでは、
      31Pに芭蕉の句として記載されいます。
      ⇒http://urx2.nu/gC7X
      それと、他サイトを見ても芭蕉の句であると発表しているところが多いようです。
      大したお力になれず、申し訳ございません。

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